20人のハードル

我が子の学童クラブで、いま、みんなが戦々恐々としている問題があります。それは、来年度、10名程度の入所児童が確保できるかどうかです。

そのために、近隣の学校や保育園などにポスターを掲示したり、チラシを配布したりと奔走しています。また、どうやったら児童を確保できるか、キッズクラブにはない学童の魅力をどうアピールするか、父母会・指導員で話し合いをすすめています。

運命の分かれ道は、1〜3年生の児童数が20名になるかどうか。

20名を割ると、補助金が減って、正規職員を1名しか雇えなくなります。我が子が通う学童は、現在、1〜3年生の在籍児童は20名+αで、なんとか正規職員を2人確保しています。

<補助基準>
小規模学童(1〜3年生で20人未満)の場合、指導員1名、補助指導員1名。
中規模学童(1〜3年生で20〜35人)の場合、指導員2名。
大規模学童(1〜3年生で36人以上)の場合、指導員2名、補助指導員1名。

でも、来年度は現在の3年生が進級してしまいますし、1年生で来年度やめてしまうかもしれない児童もいます()。ですから、我が子の学童でも、来年度なんとしても少なくとも約10名の児童を確保しなければ、学童をいまのまま存続してくことが難しいのです。

横浜の学童クラブは、公立はなく、すべて市からの補助金で運営するという形態をとっています。2006年までは、市からの「委託事業」ということで比較的安定的に助成が受けられたようなのですが、「はまっこ」や「キッズクラブ」という全児童対象事業を「学童代わり」に全小学校に設置していくという市の方針のもと、いわゆる「学童クラブ」(正式には放課後児童クラブ)は、「委託事業」から「補助事業」に格下げされてしまいました。

「補助事業」の場合、小学校1〜3年生までの在籍児童数によって補助金の額が変わってしまいます(「はまっこ」や「キッズクラブ」は小学6年生まで対象なのに!)。

いま、学童クラブでは児童数が増えすぎて大規模化するという問題もありますが、一方で「キッズクラブ」が設置された小学校区では、留守家庭児童が「キッズクラブ」に流れてしまい、「学童クラブに」集まる児童が減って、従来通りの補助金を確保するために、父母・指導員が新規児童の確保のために奔走しなければいけないという事態が生まれているわけです。

振り返れば、「補助事業」に移行してから、毎年、同じように父母・指導員が奔走しながらも、1〜3年生で20名の児童を確保して、運営を守ってきたことは本当にすごい。でも、それを今年も頑張っていかなければなりません…どうして、こんなに綱渡りな運営を強いられなければならないのでしょうか(涙)

一方、市による「キッズクラブ」の設置は進行しています(予算も増額)。

ある学童クラブは、いままで学校内に併設されていたそうですが、「キッズクラブ」を校内に新設するのに伴い、学童クラブは移転を余儀なくされたそうです。

国は、「学童クラブ」(放課後児童クラブ)も、「はまっこ」や「キッズクラブ」といった全児童対象事業と同様に位置づけるという立場を打ち出しています。

しかし、横浜市の対応を見ていると、明言こそしませんが、同等に位置づけるどころか、学童クラブを追い出し・つぶして、「キッズクラブ」に置き換えてしまおうという意図がありありと伺えます。

ある自民党の元市議会議員(現国会議員)は、自身のホームページで、H15年に学童を視察した感想として“『ただいま』『おかえり』という姿には、なんとも違和感を覚えるが、家庭の、親代わりという位置づけを考えればこういうものだろう。…改めて学童保育とはまっ子ふれあいスクールを視察して、両者のよいところを集めて、1本化すべきだと感じました”というようなのことを述べていました。

なぜ学童保育とはまっこを一本化してキッズクラブを増設していかなければいけないのか、明確な根拠もなく、学童つぶしが進められているのではと、市への不信が募るばかりです。

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